両子山の懸造り(大分)
両子(ふたご)山は
大分県の国東半島の最高峰
(標高720.6m)の山である。
古来、両子山は山岳
信仰の中心的存在である。
一方、近隣には宇佐
神宮があり、国東半島の
大部分は宇佐八幡の荘園で
あったといわれる。
山岳信仰と八幡信仰が
融合し、仏教が伝来すると
天台系修験とも融合する。
独特の神仏習合が展開
され、「神仏習合の発祥
の地」ともされる。
その中心的な役割を
果たしたのが、根本道場
としての「両子寺」である。
奥の院は建物の半分が
岩窟内にある希少な「懸造り
(かけづくり)である。
懸造りは急峻な崖の斜面
に建つ伽藍建築である。
そこに佇むと、修験道場
から発展したという一種
異様な雰囲気に包まれる。
内部に千手観音立像、
宇佐八幡神像、両子大権現など
習合された「神仏」を祀る。
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両子寺・奥の院(大分) |
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