海を守る山の神(鹿児島)
本州の南端、薩摩半島に
開聞岳(かいもんだけ)がある。
標高924m、優美な円錐形で
「薩摩富士」とも呼ばれ、日本
百名山にも選定されている。
枚聞(ひらきき)神社は
開聞岳をご神体としている。
本殿の屋根の上に
開聞岳が位置する構図である。
(今は樹木が茂り見えない)
山麓の北東半分は陸地、
南西半分は海に面している。
そのため海上交通の目印
とされてきた。
「かいもん」は海門に
通ずるとされ、「航海神」
としても信仰される。
江戸時代以降は琉球の
使節も崇めたという。また、
海に面していることから
漁業の守護神ともされる。
島津藩主からも「薩摩国
一宮」として庇護され、現在
の本殿は1610年(慶長15年)、
島津義弘の寄進という。
島津氏は当神社の籤
(くじ)により、作戦を
決めたとも伝わる。
海洋交通、漁業の守護神
としての「山」の神である。
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枚聞神社・社殿(鹿児島) |
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