満願結願の札所（岐阜）

　華厳寺(けごんじ)は岐阜県
揖斐郡にある。天台宗
の寺院である。

　県の北西部の西濃・
谷汲の山深い里にある。
通称「谷汲(たにぐみ)さん」で
親しまれている。

　醍醐天皇より、谷から
湧き出る油に因み、山号
「谷汲山」、華厳経から扁額
「華厳寺」を下賜されたという。

　798年（延暦17年）、
会津の豪族・大口大領の
願いにより豊然(ぶねん)上人が
開創したといわれる。

　西国三十三所第33番。
全ての札所を廻ることを
満願、結願という。当寺は
満願結願の札所である。　

　本堂の入口の柱にある
青銅製の鯉は「精進落とし
の鯉」といわれる。

　満願した者がこの鯉に
触れ、精進生活から解放
されるという風習が残る。

　本堂背後の笈摺堂(おいずるどう)には
満願者の笈摺（禅衣）、
朱印帳等が置かれ多数の
千羽鶴が奉納されている。

　笈摺堂から階段三十三
段上に納め札を納める
満願堂がある。

華厳寺・本堂（岐阜）