不退寺(奈良)
不退寺(ふたいじ)は
奈良市法蓮町にある
真言律宗の寺院である。
在原業平が仁明天皇の
勅願を受け開基したことから
「業平寺」とも呼ばれる。
在原業平は平城天皇の孫、
阿保親王の五男、才能豊かで
六歌仙の一人である。
南門は切妻造本瓦葺の
四脚門で左右に御所塀があり
鎌倉末期の建築とされる。
本堂は業平を偲ばせる
貴族の邸宅のような
優美な佇まいである。
本堂には業平の自作
といわれる本尊の聖観音
菩薩立像が安置されている。
一木造で像高190cm、
極彩色の花紋装飾を施した
豊かな像容である。華麗な
業平的作風である。
不動、降三世、軍荼利、
金剛夜叉、大威徳明王の
五大明王は五体残るのは
奈良ではここだけという。
本堂東の池に面する
多宝塔は宝形造桟瓦葺で
池を隔てた遠景が美しい。
所在地 |
奈良市法蓮東垣内町517 |
山号 |
金龍山 |
宗派 |
真言律宗 |
本尊 |
聖観音菩薩立像 |
開基 |
在原業平 |
正式名 |
金龍山 不退転法輪寺 |
別称 |
業平寺 |
備考 |
大和北部八十八ヶ所霊場第18番 |
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