浄土寺と浄土信仰
兵庫県小野市に高野山
真言宗の浄土寺がある。
1192年(建久3年)、
大仏殿大勧進・重源上人
による開創とされる。
境内の西に重源当時の
建築である浄土堂(阿弥陀堂)、
東に室町時代の薬師堂
(本堂)が建つ。
この配置は東方・浄瑠璃
世界の教主・薬師如来と西方・
極楽浄土の教主・阿弥陀
如来の居所を表す。
浄土堂(国宝)内には仏師・
快慶の代表作とされる阿弥陀
三尊像(国宝)を安置する。
三尊の中尊(像高5.3m)、
両脇侍の観音・勢至菩薩
(各3.7m)とも巨像。三尊とも
印象に残る巨大な立像である。
蓮華座の下には雲があり
僅かに三尊が前に傾いている。
西方極楽浄土から飛雲に乗り
来迎する情景と云われる。
背後の蔀戸からの西日で
堂内全体が朱赤に輝くように
染まり雲座の上の三尊像が
来迎の姿で浮かぶ。
西日という太陽の光を
巧みに利用した仕掛けである。
浄土世界の演出
伽藍配置と西日の仕掛け
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浄土寺(兵庫)浄土堂 |
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