補陀洛渡海
和歌山県・那智勝浦町の
補陀洛山寺(ふだらくさんじ)。
「紀伊山地の霊場と
参詣道」の一部として
世界遺産に登録されている。
平安から江戸時代に
かけて「補陀洛渡海」の
出発地として知られる。
補陀洛渡海とは南方の
観音菩薩が住む補陀洛浄土を
目指し渡海することである。
補陀洛は「華厳経」では
インドの南端にあるとされ
那智地方では熊野灘の
南方にあるとされた。
補陀洛世界の観音浄土を
目指し小船・「渡海船」で
那智の浜から旅立ったという。
境内に、渡海船を復元
した模型が展示されている。
船上の屋形には扉が無い。
出入り口は外から釘が打たれ
二度と戻れない葬送の船。
屋形に4つの鳥居が建つ。
発心門、修行門、菩薩門、
涅槃門を潜り浄土に往生する
という死出の四門を表す。
境内に補陀落を目指して
船出した人々の碑がある。
海を目指した浄土信仰
死を覚悟の補陀洛渡海
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補陀洛山寺(和歌山)渡海船 |
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