(仏像拝観)
見方で変わる仏像
京都府京田辺市の寿宝寺
の本尊・十一面千手千眼
観世音菩薩立像は実際に
千の手と千の眼を持つ。
このように千の手を持つ
観音像は他に唐招提寺、葛井寺
だけで共に三大名作とされる。
陽光と月光では違う表情。
収蔵庫の扉の開閉による光線の
調節でその違いを見せてもらう。
明るいときは、口元の朱が
目立ち目元は力強く感じる。
暗いときは口元の朱が消え
神秘的な像容に変わる。
一方、奈良県桜井市の石位寺の
本尊・伝薬師三尊石仏は白鳳時代作、
日本最古の石像浮彫像。
中尊は台座に腰掛けた如来形、
両脇侍は合掌して立つ。唇と
法衣など一部に彩色が残る。
額田王の念寺仏との伝承がある。
日本で最も優美な石仏とされる。
扉が開かれた収蔵庫にて拝観。
のち、扉を少し閉め正座し
下から見上げる。
薄明かりの中に微笑みが
浮き上がり優しく、美しい。日の光
の中、正面からとは全く異なる。
微笑みがなければ
価値は半減。祈りの対象として
の仏像の見方の原点を知る。
見方で変わる仏像
仏像の見方の原点を知る
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寿宝寺(京都) |
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