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今昔物語と蟹満寺


 今昔物語集は平安時代
後期の日本最大の説話集。
各話が「今は昔」で始まる。

 京都府木津川市に
蟹満寺という真言宗智山派
の寺院がある。

 「蟹満寺縁起」では今昔
物語「蟹の恩返し」が
深く関わるとされる。

 その説話は蟹満寺の本堂
内の絵物語とテープによると
次のような概要である。

 観音を信仰していた娘が
村人の捕らえた蟹を買戻し逃がす。
また、父が蛙を助けようと
蛇に娘の婿の約束をする。

 その後、娘は蛇に結婚を
迫られるが観音に祈ると
沢山の蟹が現れ蛇を切り刻む。

 親娘は蟹と蛇の亡骸を
埋めた場所に寺を建てたという。

 蟹の恩返しは日本霊異記
にも同様の2話があり、仏教
説話として広く知られる。

 観音堂に聖観音菩薩を祀り
堂内には蟹と蛇の彫り物が
掲げられている。

 山号「普門山」は法華経の
観世音菩薩普門品に因むという。

 蟹満寺縁起にみる
  今昔物語「蟹の恩返し」


 蟹満寺(京都)



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