階段ばなし
古寺には石段が多い。
自然の石を基にしたものから
人工的な石段まである。
風情ある石段もある。
山岳に開かれることが
多いから石段はつきもの。
急で厳しい石段ほど
有り難みが増す感じもする。
日蓮宗の総本山・久遠寺
(山梨)の287段の急な石段は
登り切れば涅槃に達するという
「菩提梯」と呼ばれる。
鞍馬寺の「近うて遠きもの」
と云われた参道からの石段、
神護寺の三百数十段の石段
もかなりきつい。
石段の数に根拠がある
ものもある。増上寺(東京)
は念仏往生の願の18段、
菩薩の25段からなる。
正暦寺(奈良)には
誓願に因む33段の石段、
阿弥陀如来に因む48段の
石段がある。
西国三十三所第31番の
長命寺(滋賀)は808段の
石段を登った山腹にある。
女人高野という室生寺
(奈良)には、仁王門から
金堂までの急な石段
「鎧坂」がある。
古寺に石段はつきもの
風情ある石段、意味ある石段
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金蔵寺(京都) |
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