TOP
自然を取り込む借景


 古寺には枯山水庭園
など庭園があるものが多い。

 借景(しゃっけい)は
その庭園における造園技法
の一つである。

 借景、即ち、景色を
借りる。借りるものは
山や樹木などの自然物
などが一般的である。

 鑑賞すると前景の庭と
背景となる借景とが一体化し
ダイナミックな風景となる。

 京都では比叡山を借景と
するものが多い。なかでも
有名なものに円通寺がある。
客殿前の枯山水庭園である。

 元は後水尾(ごみずのお)
上皇の山荘・幡枝御所で
上皇は比叡山の眺望の
良い地を求めたという。

 苔を主体に刈込みと
石を配し杉木立の樹間から
比叡山が望め国の名勝に
指定されている。

 嵐山・亀山を借景とする
天龍寺の方丈裏庭園。
天竜寺の塔頭・弘源寺の
「虎嘯の庭」も嵐山が借景。

 光雲寺の「書院南庭」は
若王子山を借景とする。

 ダイナミックな造園技法
  山も取り込む借景


 円通寺(京都)比叡山の借景 



TOP