浄瑠璃と壺阪寺
壺阪寺(つぼさかでら)は
奈良県高市郡にある
真言宗豊山派の寺院である。
正式名は南法華寺で
あるが、通称名「壺阪寺」
で親しまれている。
本尊・十一面千手観音菩薩は
眼病に霊験があるとされ
目の観音として信仰が篤い。
失明回復祈願にまつわる
お里・沢市の夫婦愛の
浄瑠璃「壺坂霊験記」で
広く知られる。
壺坂霊験記の筋書きは
次の通りである。
盲目の沢市は妻のお里が
明け方出掛けるので男ができたと
疑うが沢市の目治癒のための
観音様の願掛けと打ち明ける。
沢市はお里の足手まいに
なるまいと滝壺に身を投げる。
悲しむお里も夫を追い投身。
観音の霊験で2人は助かり
沢市の目が見えるようになる。
境内にある投身の谷の上に
「お里 沢市の像」がある。
その後、浪曲にも取り入れられ
浪花亭綾太郎による「妻は夫を
いたわりつ、夫は妻に慕いつつ~」
の名調子で一躍有名となる。
浄瑠璃「壺坂霊験記」
お里・沢市の夫婦愛
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壺阪寺(奈良)お里澤市の像 |
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