斜面に建つ懸造り
平地ではなく、急峻な崖の
斜面に建つ伽藍建築を懸造り
(かけづくり)、懸崖造り
(けんがいづくり)という。
山岳信仰や観音霊場の
世界観とも関連があるとされ
日本独特の建築様式の一つ。
有名なのは京都の清水寺。
本堂から張り出す舞台は
「清水の舞台」として名高い。
東京の寛永寺・清水観音堂は
京都の清水寺を模したという。
比叡山延暦寺の横川中堂、
京都の狸谷山不動院の
本殿なども懸造りである。
全国でも各地で懸造りは
見られる。北は山形の立石寺、
通称・山寺の五大堂など。
また、南には大分の羅漢寺
の千体地蔵堂、同じ大分の
両子寺の奥の院は前面が懸造、
後方の岩窟内に千手観音を祀る。
石川の那谷寺(なたでら)は
一帯が白山連峰を神体とする
山岳信仰の修験行場である。
本堂は大悲閣と呼ばれる。
本殿は岩窟内に構築され
本尊・千手観音を安置する。
岩窟の入口の唐門前に
懸崖造りの拝殿がある。
急峻な崖の斜面に建つ
伽藍建築の一つ「懸造り」
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那谷寺(石川)大悲閣 |
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