(仏像拝観)
湖北仏教文化の仏像
滋賀県の己高山(こだかみやま)は
平安から鎌倉時代にかけて
栄えた山岳信仰の霊場である。
なかでも、行基開創の
鶏足寺は最澄により再興され
室町期には湖北仏教文化圏
の中核として栄えたという。
しかし、その後は衰退。
本堂も1933年(昭和8年)
焼失、事実上廃寺となる。
現在は他の寺も含めて当時の
仏像や寺宝が己高閣(ここうかく)、
世代閣(よしろかく)の2棟
の収蔵庫に収納されている。
己高閣中央にある鶏足寺
の本尊・十一面観音像は
平安期作とされる木造彩色
の立像である。素朴で力強い。
七仏薬師如来は7体セット
の立像で全国的にみても
珍しい造りである。他に兜跋
毘沙門天像などが並ぶ。
世代閣にある戸岩寺の
本尊・薬師如来は180㎝、
安定感のある楠一木造の立像。
魚籃観世音は上半身が
珍しい裸形。胸も露わな
立像で魚篭をさげる。他に
十二神将像などを安置する。
湖北仏教文化の仏像
山岳霊場の力強さと素朴さ
|
鶏足寺(滋賀)己高閣 |
|