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仏塔崇拝と法師 


 仏塔が各地に建てられ
時が進むと仏塔を維持
管理する人が必要となる。

 その人たちは管理の
性格上、出家者ではなく
在家者とされる。

 一方、仏塔崇拝が進み
一般大衆でも仏塔巡礼が
行われるようになる。

 その巡礼者に対して
仏伝文学をもとに釈迦の
偉業・奇跡を説いて語る
専門家が現れる。

 その人たちは「法師」
と呼ばれ、いわば、プロ
のガイドである。

 識字率の低い民衆にとり
サンスクリット語はともかく
文学より「語り」が大きな
影響を与えたと思われる。

 「参拝者を仏塔の前に
集めては美声でもって
得意のお釈さま一代記を
語り聞かせた」とも。
 (ひろさちや著「はじめての仏教」)

 その法師たちが「大衆部系の
出家たちの智恵を拝借しつつ
独自の大乗の教えを練り上げて」
いったとの説もある。
 (宮元啓一著「わかる仏教史」)



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