密教と仏像


 大乗仏教がさらに発展して
7世紀頃になると密教が誕生する。

 密教では宇宙の森羅万象すべてを生み出す
根源としての「大日如来」が登場する。

 大日如来はすべての仏、菩薩を
統括する総元締めである。

 そのため、菩薩のように王冠をかぶり
きやびやかなアクセサリーを身に付ける。

 また、密教では大日如来の化身とされる
「明王」の存在が考えられ像が造られる。
明とは光明のことで智恵を意味する。

 明王はもともとはインドの神であり
仏教に取り入れられたものである。

 仏教の教えを阻害するものを
忿怒(ふんぬ)の相で説き伏せるものも多い。

 同様に「天」(天部ともいう)も
仏教に取り入れられる。天は神のことである。
バラモン教やヒンズー教の神々が多い。

 天は仏や菩薩に従順に仕えて
仏教の信者と教えを護るものとされる。

 天は種類も多く、ジャンルも多彩である。
はじめから善神だったものもあれば
悪神だったが諭されて、改心してものある。

 このように密教の登場により
「如来」、「菩薩」、「明王」、「天」と
仏像もラインナップが揃い、充実してくる。



TOP