菩薩像と釈迦の仏像


 如来は既に「悟り」を得たもの
菩薩はまだ「悟りを求めている」段階。

 修業から悟りへの経過からみれば
「悟りを求め」て、「悟りを得る」
即ち、「菩薩」から「如来」となる。

 また、釈迦の仏像の誕生の経緯は
釈迦の出家後の姿が先に造られる。

 というより、この段階では
出家前の姿を仏像化することは想定していない。

 仏像否定を乗り越え
とにかく、釈迦の仏像を造ることが先決だった。
その後、暫くしてから、出家前の姿が造られる。
 
 如来像は出家後の姿が原型ではあるが
厳密に言えば、出家直後は修行中である。
悟りを開いてはじめて如来となる。

 しかし、粗末な布1枚だけなので
如来としての「悟りの前後」に違和感はない。

 一方、菩薩は出家前の釈迦の姿が原型。
出家前は修行中とは言えない。
宝冠を被り、アクセサリー満載だ。

 出家前の釈迦の姿を「悟りを求める」
モデルとするのはちょっと違和感がある。

 だが、釈迦入滅後年月も経ち
結局、悟りを求める菩薩のモデルを
釈迦の出家前の姿にしたと思われる。

 その後、大乗仏教は釈迦の仏像から離れて
菩薩の役割を大きく変化させていく。



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