大乗仏教
ブッダの教えは入滅後
南へ伝播する南伝仏教と北に向かう北伝仏教に別れる。
このうち北伝仏教は紀元前後頃に
陸伝いで足踏みしているうちに大きな変化が起きる。
質的に全く違う宗教と言ってもいい位の変化。
これが大乗仏教と言われるものである。
大乗仏教は大きな乗り物という意味で
南伝仏教を小乗仏教と呼ぶことになるが
これは大乗仏教側の卑下の意を持った呼び名でもある。
そのため南伝仏教の人々は「上座部仏教」と呼んでいる。
ここでは、詳しい経緯はともかく
大乗仏教は仏教の大衆化の要素もある。
偶像否定から肯定の過程で大乗仏教の影響もあり
その後、仏像は庶民により身近なものになっていく。
この大乗仏教は中国に根付き、醸成されながら
シルクロードを通って日本に伝わることになる。
従って、日本の仏教はほとんどが
大乗仏教の影響を受けている。仏像も又しかり。
また、その後、多くの宗派が生まれる。
上座部仏教もその後の長い年月により
やや変質し、多様化もあり、
こちらの方が正当派だと単純には言えないようだ。
ただ、仏教のオリジナルとも言うべき「ダンマパダ」
ブッダの「真理のことば」が、日本で注目される
ようになったのは明治以降という。
「本来の仏教」は多様化し、仏像にも影響を与えていく。
「仏像」イコール「仏教の像」という見方は
そう単純ではないということになる。
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