仏舎利の不思議


 ブッダの教え、本来の仏教は
自分の道は自分で切り開けというものである。

 特別なものに救いを求めたり、
すがったりしてはいけない。

 それは偶像を崇拝する
こととは背反するものであり、
むしろ否定するものである。

 ブッダは「人の肉体は骨と血」
からなるとそっけない。

 かなりショッキングな表現であるが
そこから死後の遺骨を大切にする思想は生まれない。
今、遺骨を大切にする思想は仏教ではなく
儒教の考えだという。

 ブッダ入滅後弟子たちは
忠実にその教えを守り
ブッダの遺骨になんの執着も持たなかった。

 しかし、一般の信者達は世間的な価値観で
考えるのでブッダの遺骨を欲しがった。

 遺骨を巡りあわや戦争になりそうになったという。
遺骨に執着するなというブッダの教えどころか
戦争とは?これにはブッダもビックリだろう。

 そこで、仲裁者により遺骨は8つに
等しく分配され、そこに祈念碑を建てた。
これが仏塔の始まりであり、仏舎利の原点という。
仏舎利とはブッダの骨を埋めた墓である。

 その後、仏教信者のアショーカ王が一つに集め
なんと8万4千カ所に分配し一つひとつに仏塔を建てた。
どんな仏教国にも仏舎利があるという基となる。
日本各地にある五重塔などもその影響を受けているという。



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