仏像のロマン


 京都で仏像巡りをしていたら
お釈迦様の誕生仏に出会った。

 4月8日の花祭りでは全国各地で
誕生仏に甘茶をかけてお祝いする所も多い。

 あの有名な「天上天下唯我独尊」
生まれて直ぐ、自ら七歩、歩いて
右手で天を指し、左手で地を指し
「天上天下唯我独尊」と言ったという。

 ブッダの教え、ブッダの生涯の
いわば、実像を追い求めているさなか
この誕生仏に不思議な気持ちになる人もいるだろう。

 お釈迦様は超人であるかも知れないが
生まれて直ぐ歩くとは凄い。
そこに仏像の不思議の原点がありそうだ。

 また、同じく京都で見たブッタの入滅の涅槃の図。
ブッタが横たわる傍ら、多くの人も動物も嘆き悲しんでいる。

 猫がいるか、いないか、観光客から声が漏れる。
一般に猫が描かれていない図が多い。

 木に引っかかった薬袋を
ネズミが取りに行こうとしたら猫が食べてしまったので
ブッダは薬を飲めずに入滅したという伝説がある。

 ブッダの誕生、入滅だけでも
これだけ様々な物語がある。

 ブッダは悟りを開いた人という意味であるが
釈迦族の王子、ゴータマ・シッダッタという実像
と物語の虚像、いや偶像とのハザマに仏像の不思議がある。

 実像プラスα、そこに仏像のロマンがあり
仏像の不思議の源流があるのかも知れない。



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