阿修羅人気

 今、仏像ブームという。
仏像ガールなるものも出没している。

 いや、仏像ガールだけでなく
昔のガール、中高年のオバサンたちも
お寺などでよく見かける。

 この仏像ブーム
奈良の興福寺の創建1300年を記念した
東京国立博物館の「国宝 阿修羅展」
の頃から加速したように思う。

 阿修羅展は行列ができ
東京国立博物館でも大行列ができる人気だった。
九州国立博物館でも好評を博した。

 確かに阿修羅像は魅力的である。
今、流行りの小顔でプロポーションもいい。
美少年のイメージもある。

 特に顔の表情は眉根を寄せ、愁いを含む。
そこが堪らない魅力となっている。

 また、多くの如来や菩薩などの仏像は
我々庶民には近づきがたいものがあるが
この阿修羅はどこか人間臭さもある。
それが勝手ながら身近に感ずるせいかも知れない。

 しかし、本来、阿修羅は
この像から感じられる優美な神ではない。
激しく合戦を繰り返す戦いの神である。

 この阿修羅、江戸時代など
今のように人気があったという形跡はないという。
今の時代だからこそ人気の阿修羅か?
仏像の不思議の一つである。

 

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